サマー・タイム・ライド

5〜6年前の夏、わたしは無職で、お父さんもお母さんも病気で、毎日家事やら動物の世話やらをして、友達と遊んだりもあんまりできず、ズボンの裾を膝までまくり上げて庭で水をまいていました。暑い夏の夕方。そのときふと、「あ、もう終わったんだな」って思いがこみあげてきて、それからずっと、私は、「もう終わったんだ」ていう気持ちのままで生きていました。うまく言えないけど、終わった、ていう気持ち。今私が生きてるのは「余生」なんだ、「余生」を生きているんだ、という気持ち。いくら楽しいことがあっても、その気持ちが抜けることはありませんでした。

が、最近、終わったのではなく、むしろ今から始まるんだな、というようなできごと(たいしたことない小さいことなんだけど)があって、そういう気持ちになったのが初めてで、こんな穏やかな気持ちになることってあるんだ?と自分でもびっくりしています。今まであった嫌なこと、嫌な人、自分のせいだったり他人のせいだったり、誰かに向かっていたマイナスの感情、自分に向かっていたドロドロの感情、そういうものが全て「あーそれでよかったんだなあ」と思えるようになってきました。

って、ここまで書いて読み返したらなんか宗教くさい!別にそういうんじゃないんだけどね。ちょっと前までは怒ったり悲しかったりしてしょっちゅう泣いてたけど、今は「うおー幸せ?」みたいな気持ちで泣いたりしてて、われながらよかったなあ、って思うんです。ほんと、よかったなあ、って。今年の夏はほんとうに幸せでした。


毎年言ってるかもしれないけど、夏といえばやっぱりMUSCAT e.p!ミニスカートじゃなくってこっちね。


MUSCAT e.p.


バイクで駆けるのさ君の部屋まで
太陽が出る前の涼しすぎる
夏の朝の街並はまだ眠りの中
僕たちの サマー・タイム・ライド